天鏡閣と迎賓館  坂 直孝(直尭)氏提供

猪苗代湖畔に残る名建築、「天鏡閣」。国重要文化財に指定された「天鏡閣」は1908(明治41)年の建築です。その前年、有栖川宮威人親王(ありすがわのみやたけひとしんのう)が、東北巡業中に猪苗代湖畔を気に入り、別荘を立てることを決めました。8月に完成し、9月には嘉仁親王(よしひとしんのう)、後の大正天皇の行幸があり、李白の句である「明湖落天鏡」より、天鏡閣と名づけられました。
 ルネッサンス様式の意匠を凝らした内装は、日本にある洋風住宅の中でも、ひときわ優雅で美しいもの。なお、1924(大正13)年に高松宮宣仁親王(たかまつのみやのぶひとしんのう)が有栖川宮家の祭祀を継承したことに伴い、この天鏡閣も高松宮家に引き継がれました。そして1952(昭和27)年に福島県に下賜されました。

迎賓館は大正11年に高松宮宣仁親王殿下が有栖川宮威仁親王妃慰子殿下の御保養のために建設されたもので、昭和27年12月に高松宮殿下より福島県に御下賜されて以来、福島県迎賓館として今日に至っています。